坐骨神経痛①

 

今回は坐骨神経痛について解説します。

 

●坐骨神経痛は病名ではなく症状名

 

 

まず、多くの方が勘違いしていることとして、坐骨神経痛は病名ではなく症状名になります。

 

例として身近なもので言えば、肩・首のコリからの頭痛、風邪からの頭痛、脳腫瘍からの頭痛というように様々な原因で頭痛があります。

 

同じように、お尻の筋肉の緊張からの坐骨神経痛、神経が滑らなくなっての坐骨神経痛、椎間板ヘルニアからの坐骨神経痛など様々な原因があります。

 

 

●坐骨神経はどこにある?

 

 

では、坐骨神経がどこにあるのかを見てみましょう。

 

骨盤部を斜め後ろから見ている図です。

 

黄色く太いものが坐骨神経です。人体で最も太く長い神経です。

 

お尻付近から下に向かって進んでいきます。

 

膝を中心にして後ろから見た図です。

 

お尻から出て太ももの裏を通り、膝の上辺りで二本に分かれます。

 

さらに下に進んでいきます。

 

 

このように神経の名称が変わりながら足裏の方まで繋がっています。

 

●坐骨神経痛の症状

 

 

症状は臀部~お尻~太もも裏~ふくらはぎ

 

に痛みや痺れが出現します。全体に出ることもありますが、部分的に出ることが多い傾向です。

 

痛みがあることで、立ち上がる、車から降りるときに症状が出たり、歩行困難や支障が出ることもあります。

 

 

主な症状

 

 

・腰、お尻、太もも裏、ふくらはぎ、脛にかけての痛み。(坐骨神経に沿った痛み)

 

・体を動かしたり歩いたりするのも困難

 

・座っているときにお尻(坐骨・尾骨)付近や太もも裏に痛みや痺れ

 

・立っているときにお尻や足にかけての痛みや痺れ

 

・寝返りの時にお尻や足の付け根に痛み

 

 

●坐骨神経痛か他の症状なのかの判別が大切

 

 

坐骨神経痛を訴えて当院にご来院される方の中には、実は坐骨神経痛ではないという事が少なくありません。

 

原因として、自己判断の場合だと、ネットや書籍で調べて痛みや痺れの範囲が一致していることで、坐骨神経痛だと考えてしまう傾向が見受けられます。

 

ですが実際は、単に筋肉が張っているだけであったり、血行不良が起きて痺れているだけという事が多くみられます。

 

また病院で診断された場合でも、レントゲンで特に異常がないから、とりあえず「坐骨神経痛ですね」と診断してしまうことが少なからずあるようです。

 

なので、第一に大切なのが、カウンセリングと検査を丁寧に行い、坐骨神経痛なのか筋肉や関節の問題なのか又は他の疾患があるのかを判別することが大事になります。

 

 

●症状の経過

 

 

・初期

腰やお尻の裏側に軽い違和感や痺れ

痛みは出るときと出ないときがある

 

・中期

太ももの裏側~膝裏にまで違和感や痛み、痺れ

常に何か違和感がある

※正座をした後の痺れ感、洋服の感覚がそこだけ違う等

 

・末期

常にお尻から足の指先にかけての「しぶとい痺れ」

痛みで休み休みじゃないと歩けない(間欠跛行)⇒最悪の場合には歩行困難

 

 

今回は以上です。

 

次回は何が坐骨神経痛を引き起こすかなどを解説していきます。